ネットリテラシーの危機
『鬼女の潜む家』
そこで、ちょっと気になったことがあります。キーボードを叩いたのはそのためです。
観終わったあとに、どうにも残った違和感について☕
つまり、ただの荒唐無稽なフィクションや完全にぶっとんだ設定なら、素直に笑って済むのですが、リアルに見えるフィクションは、時として人々に誤った知識を植えつけることがあるのです。
ここが大きな問題でしてね、「鬼女の潜む家」にはそれが顕著に表れているのですよ🤔
🚩リアルに見えるからこその厄介さ
ドラマにSNSの投稿欄やスマホ通知が出てくると、それだけで現実味が生まれます。問題は、そのリアルな皮をかぶったまま、技術的にも現実的にも‥かなり怪しい描写まで本物らしく見えてしまう点にあります。
🚩本人特定があまりにも軽くて雑
このドラマで特に気になったのは、位置情報・アカウント・実名・住所といった情報が、ちょっと検索すれば芋づる式に出てくるかのように、じつにあっさり描かれている点です。もちろん現実にも、写真の背景・投稿時間・行動範囲・過去の発言・交友関係などが重なれば、個人の生活圏が推測されることはあります。そこは決して軽視できません。
ところがドラマでは、その過程が極端に圧縮‥いえ、ほぼ削除されているのですよ💦
こんな感じ↓
ちょっとPCを操作するだけで個人情報が次々と湧き出てくるような展開ですからね😓
電話番号の扱いも同じ📱
こういう、作り手に都合のいい情報だけが効率よく出てくる展開に、私はものすごい違和感を覚えました。いや、違和感どころではありません。
「異議アリ!」です。
🚩怖さの本質は「あり得そう」な空気
厄介なのは、こうした描写が完全な架空ではないことです。SNSに投稿した写真の背景から、場所が推測されることはある。
位置情報の扱いを間違えれば、生活圏が見えてしまうこともある。
匿名アカウントであっても、投稿内容や言葉遣い、交友関係、行動パターンから本人像が絞られていくこともある。
つまり、素材としては現実に根があるのです。
実際に個人を特定するためには、もっと不確かで、もっと面倒で、もっとグレーな推測の積み重ねです。
🚩本当に危ういのはリテラシーの低さ
そして私が本当に言いたいのは、ここから先にあります。ドラマは通常、完全にフィクションです。だから演出上‥どうしても誇張はあるでしょう。例えばこの女‥「DoctorXの大門未知子」なんかね😉
ご多分に漏れず、日本人はネットをよく使います。
例えば、画面にIPアドレスが表示されたような時にも、それは表れます。
IPアドレスからわかるのは、せいぜい接続している大まかな地域や、利用しているプロバイダ、回線事業者といった情報です。手がかりにはなりますが、GPSのように本人の現在地を示すものではありませんし、住所や個人情報へ直結するものでもありません。
こういった状況下で、
私がこの作品を観ながらどうにも引っかかったのは、そこなのです🤔
🚩リアルっぽい嘘に、現実認識まで預けちゃダメ
結局のところ、この手のSNS系サスペンスは、現実をそのまま映しているようでいて、実際にはかなり都合よく圧縮された物語です。作品の中では、その現実が物語の都合に合わせて一気に変換される。断片が集まり、推測が重なり、誤認の可能性をはらみながら少しずつ像ができていくはずの過程が、ほとんど省略されてしまう。そこに、私はこの種の作品の危うさを感じます。現実の怖さは、ドラマのように派手ではありません。むしろ、もっと地味で、もっと遅く、もっと嫌な形で近づいてくるものです。
何気なく載せた写真、過去の投稿、言葉の癖、交友関係、生活圏。ひとつひとつは大した情報に見えなくても、誰かがそれらをつなげた瞬間、本人の知らないところで別の輪郭が作られていく。その不気味さは、画面上で住所が一瞬で表示される怖さとはまったく別のものです。
🌞試される本質の目
ドラマはドラマ。べつに盛ってもいい。都合よく情報がつながっても、物語として必要ならそれは適した演出です。けれど、見る側まで都合よく納得してしまってはいけない。
作品を楽しむことと、描写をそのまま信じることは分けなければならない。そこを分けられるかどうかがネットリテラシーであり、ひいては生きていくうえでの判断力です。
『鬼女の潜む家』を観たうえでの問題提起は、まさにそこ。
作品の出来不出来ではなく、リアルっぽい嘘が、ネットをよく知らないまま使っている私たちの認識に入り込んでしまうこと。ネットの怖さを描いているつもりの物語が、逆にネットの怖さを単純化してしまうこと。
だからこそ、こういう作品を見る時には、少し距離を置いた目が必要なのですよ。
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